お名前.comで買ったドメイン、Cloudflareで使えます——焦りから学んだ設定手順
お名前.comでうっかりドメインを購入してしまった体験談と、Cloudflare以外で取得したドメインをCloudflare / Cloudflare Pagesで公開するまでのネームサーバー変更手順を解説します。
この記事で学べること
- お名前.com(外部レジストラ)で取得したドメインをCloudflareで使う方法
- ネームサーバー変更の具体的な手順(お名前.com ↔ Cloudflare)
- Cloudflare Pages への GitHub 連携デプロイと独自ドメインの割り当て
:::message alert この記事は 2026年6月 時点の情報を基に執筆しています。 Cloudflare / お名前.com の UI は予告なく変更される場合があります。 :::
やらかし話:お名前.comでドメインを買ってしまった
Cloudflare Pages でサイトをホスティングしようと意気込んでいたある日のこと。「よし、ドメインを取得しよう!」と思い立ち、なんとなく慣れ親しんでいた お名前.com でポチっとドメインを購入してしまいました。
購入後にふと「あれ、Cloudflare 内でドメインを取得しないといけないんじゃないか?」と不安になりました。Cloudflare のダッシュボードを見ると 「Cloudflare Registrar」 なるドメイン登録サービスがあるではないですか。
「まずい、別のところで買ってしまった……」
しかし、少し調べてみると、お名前.com で取得したドメインでも Cloudflare でサイトを公開できることがわかりました。必要なのは「ネームサーバーの変更」だけ。拍子抜けするほど簡単な話でした。
:::message 結論:ドメインはどこで買っても OK ネームサーバーをCloudflareへ変更するだけで、Cloudflare のすべての機能(Pages・CDN・DDoS対策・自動SSL)を利用できます。 :::
お名前.comとは?他社との比較
お名前.com(GMOインターネットグループ運営)は、1999年から続く国内最大級のドメイン登録サービスです。
お名前.comのメリット
- 豊富なドメイン種別:
.com.net.jpなど数百種類の TLD を取り扱い - Whois情報公開代行が無料: 個人情報をドメイン登録情報に公開せずに済む
- 初年度が安価:
.comドメインは初年度から比較的リーズナブル - 実績と信頼性: 25年以上の運営実績、国内シェアNo.1クラス
- サーバーとのセット割: 同社レンタルサーバーと組み合わせると割引あり
注意点・デメリット
- アップセルが多い: 購入フロー中に多数のオプションが表示され、初心者は混乱しやすい
- 管理画面が複雑: 多機能のため、目的の設定ページが見つかりにくいことも
- 営業メールが多い: 購入後に各種キャンペーンメールが届くことがある
- 更新料に注意: 初年度が安くても、2年目以降の更新料は通常価格になる
:::message Whois情報公開代行とは? ドメインを登録すると、登録者の氏名・住所・電話番号などの個人情報が「Whois」と呼ばれる公開データベースに掲載されるのが原則です。「Whois情報公開代行」を利用すると、その個人情報をお名前.comの情報に置き換えた状態で公開してくれます。つまり外部から登録者の個人情報が見えなくなる、プライバシー保護の重要な機能です。これが無料で利用できるのはお名前.comの大きなメリットです。 :::
主要レジストラ比較表
| サービス | UI / 使いやすさ | 価格感 | サポート | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| お名前.com ⬅ 今回 | △ やや複雑 | ◎ 初年度安め | ○ 24時間対応 | 大手実績・TLD種類重視 |
| ムームードメイン | ◎ 直感的 | ○ コスパ良好 | △ メール中心 | 初心者・シンプル重視 |
| Xserverドメイン | ○ 見やすい | ○ 更新も安定 | ○ 丁寧 | Xserverでサーバーも使う人 |
| さくらのドメイン | ○ シンプル | △ 標準的 | ◎ 手厚い | さくらサーバーユーザー |
| Cloudflare Registrar | ○ 洗練 | ◎ 原価販売 | △ 英語中心 | Cloudflareヘビーユーザー |
💰 価格についての注意 上表の「価格感」はあくまで傾向の目安です。登録料・更新料はドメインの種類(
.com.net.jpなど)によって大きく異なります。また各社でキャンペーン価格が設定されていることも多く、実際の金額は時期によって変わります。契約前に各サービスの公式サイトで最新の料金を必ずご確認ください。
:::message Cloudflare Registrar について Cloudflare のドメイン登録サービスは「原価販売(手数料なし)」が特徴で、更新料が安定しています。ただし対応TLDはやや限られており、英語UIが基本です。また Cloudflare Registrar で購入したドメインは外部ネームサーバーへ変更できない仕様のため、Cloudflare 外でホスティングしたい場合は注意が必要です。 :::
仕組みを理解する:ネームサーバーとは?
手順に入る前に、少しだけ仕組みの話をさせてください。
ドメインを購入した レジストラ(登録事業者) は、デフォルトで自社の ネームサーバー(DNS サーバー) をそのドメインに割り当てます。ネームサーバーとは「このドメインにアクセスしたらどのサーバーへ飛べばいいか」を答えてくれる電話帳のような存在です。
このネームサーバーを Cloudflare のものに変更することで、DNS 管理をすべて Cloudflare に委譲できます。
お名前.com(ドメイン購入・所有)
↓ ネームサーバーを変更
Cloudflare(DNS管理・CDN・サイト公開)
:::message ポイント 「どこでドメインを買ったか(レジストラ)」と「どこでサイトを管理・公開するか(ホスティング)」は まったく別の話です。ドメインの所有権はお名前.comに残ったまま、DNS 管理だけを Cloudflare に移すことができます。 :::
手順:ネームサーバーをCloudflareへ変更する
前提条件
- お名前.com でドメインを取得済み
- Cloudflare アカウントを作成済み(無料プランで OK)
STEP 1:Cloudflare にサイトを追加する
Cloudflare ダッシュボード にログインし、ホーム画面の 「+ サイトを追加(Add a site)」 をクリックします。お名前.comで購入したドメイン名(例:example.com)を入力し「続行」をクリック。
図1:ダッシュボード右上または中央の「+ Add a site」ボタンをクリックします
プランを選択します。個人利用や小規模サイトであれば 「Free」プランで問題ありません。
:::message プラン選択のヒント 個人ブログや静的サイトであれば Free プランで十分です。ビジネス用途や高度なセキュリティが必要な場合は Pro/Business プランを検討してください。 :::
STEP 2:既存の DNS レコードを確認する
サイト追加後、Cloudflare が自動的に既存の DNS レコードをスキャンして取り込みます。
図2:自動スキャンされたAレコード・MXレコード・CNAMEが一覧表示されます。不足しているレコードは「+ レコードを追加」から手動で追加できます
- 表示されたレコードを確認し、必要なものがすべて揃っているか確認します
- Cloudflare Pages を使う場合は、この段階では特に何もしなくて OK です
:::message alert メール設定がある場合は要注意 既にメールサービス(Google Workspace や Xserver メールなど)を使っている場合、MX レコードが正しく取り込まれているか必ず確認してください。漏れていると、ネームサーバー変更後にメールが届かなくなります。 :::
STEP 3:Cloudflare のネームサーバーを控える
DNS レコードの確認画面を進むと、あなた専用の2つのネームサーバーアドレスが表示されます。
NS 1: noah.ns.cloudflare.com
NS 2: vera.ns.cloudflare.com
図3:「Cloudflareのネームサーバー」セクションに表示される2行のアドレス。右側の「コピー」アイコンでクリップボードへ
:::message alert 重要:アドレスはアカウントごとに異なります 上記はあくまで例です。自分の Cloudflare ダッシュボードに表示された値をコピーしてください。他の記事やネット上に書かれているアドレスをそのままコピペしないよう注意! :::
STEP 4:お名前.com でネームサーバーを変更する
ここからはお名前.com 側の作業です。
- お名前.com Navi にログインします
- 左メニューの 「ネームサーバー設定」 にカーソルを合わせ、「ネームサーバーの変更」 をクリック
- 対象ドメインにチェックを入れます
- 「ネームサーバーの選択」で 「その他のサービス」 タブを開きます
- 「その他のネームサーバーを使う」 を選択します
- STEP 3 で控えた2つのネームサーバーアドレスをそれぞれ入力します
- 確認画面で内容を確認し、「確認」 ボタンをクリックして完了
図4:「その他のサービス」タブを選択し、テキストボックスにCloudflareのNS1・NS2を1行ずつ入力します
:::message alert デフォルトタブに注意 「ネームサーバーの選択」画面では最初に「GMO系サービス」タブが開いています。必ず 「その他のサービス」タブに切り替えてから設定してください。 :::
STEP 5:Cloudflare で「Active」になるのを待つ
お名前.comでの設定を保存したら、Cloudflare ダッシュボードに戻ります。Cloudflare が定期的にネームサーバーの変更を確認し、設定が反映されると 「Active」 ステータスに変わります。
| タイミング | ステータス | 状態 |
|---|---|---|
| 0〜30分 | Pending | まだ確認中。正常です。 |
| 数時間 | Pending → Active | 世界中に伝播中 |
| 最大48時間 | Active ✅ | 完了! |
ターミナルから以下のコマンドでネームサーバーの変更を手動確認できます:
nslookup -type=NS example.com
cloudflare.com が含まれたネームサーバーが返ってくれば成功です。
補足:Cloudflare Pages でサイトをデプロイする
ネームサーバーが「Active」になったら、いよいよ Cloudflare Pages でサイトを公開しましょう。GitHub リポジトリと連携することで、git push するだけで自動デプロイが走るようになります。
① Workers & Pages からプロジェクトを作成
- Cloudflare ダッシュボード左メニューの 「Workers & Pages」 をクリック
- 「プロジェクトを作成」→ 「Pages」 タブ →「Git に接続」を選択
- GitHub 連携の認証を行い、デプロイしたいリポジトリを選択
図5:「Pages」タブ →「Gitに接続」ボタンをクリック。GitHubアカウントの認証画面に遷移します
② ビルド設定を構成する
| 設定項目 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| Production branch | デプロイのトリガーとなるブランチ | main |
| Framework preset | 使用フレームワーク(自動補完あり) | Astro / Next.js / Hugo など |
| Build command | ビルド実行コマンド | npm run build |
| Build output directory | ビルド成果物のフォルダ | dist / out / public |
:::message フレームワーク別 出力ディレクトリ早見表
| フレームワーク | Build output directory |
|---|---|
| Astro | dist |
| Next.js(静的エクスポート) | out |
| Create React App | build |
| Hugo | public |
| Nuxt.js(静的) | .output/public |
| ::: |
③ 独自ドメインを割り当てる
- Pages プロジェクトを開き、「カスタムドメイン」 タブをクリック
- 「カスタムドメインを設定」 をクリック
- お名前.comで購入したドメイン(例:
example.com)を入力 - Cloudflare が自動的に DNS レコード(CNAME)を追加します
- しばらく待つと独自ドメインでサイトが表示されます 🎉
図6:「カスタムドメインを設定」→ドメイン入力→「続行」。CloudflareがCNAMEレコードを自動追加してくれます(手動設定不要)
:::message
デプロイ後の自動化
一度設定すると、GitHubのブランチに git push するだけで自動ビルド&デプロイが走ります。無料プランでも月500回のビルドが使えるので、個人開発では十分すぎるほどです。
:::
よくある疑問
Q. Cloudflare Registrar でドメインを取得しなくても問題ない?
問題ありません。 お名前.com・ムームードメイン・Xserverドメインなど、どのレジストラで購入したドメインでも、ネームサーバーを変更すれば Cloudflare で利用できます。
Q. お名前.comのDNS設定はどうなる?
ネームサーバーを Cloudflare に変更すると、DNS 管理はすべて Cloudflare 側に移ります。お名前.comのDNS設定は参照されなくなります。Cloudflare はスキャン時に既存レコードを自動インポートしてくれるので、引き継ぎ漏れがないか確認しておきましょう。
Q. ドメインの所有権はどうなる?
ドメインの所有権はお名前.comに残ります。変更するのは DNS の管理先だけです。更新料の支払いや WHOIS 情報の管理はこれまで通りお名前.comで行います。
Q. SSL / HTTPS は自動で対応される?
はい。Cloudflare を通すことで、自動的に SSL 証明書が発行され HTTPS 化されます(Edge Certificates)。追加料金なし・追加設定なしで利用可能です。
まとめ
「Cloudflare でサイトを公開するには Cloudflare でドメインを買わないといけない」というのは思い込みでした。どこで取得したドメインでも、ネームサーバーをCloudflareのものに変更するだけで問題なく使えます。
| STEP | 作業場所 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | Cloudflare | サイトを追加し、ネームサーバーアドレスを取得 |
| 2 | お名前.com | ネームサーバーをCloudflareのものに変更 |
| 3 | 待機 | 最大48時間で「Active」に変わる |
| 4 | Cloudflare Pages | GitHub連携でサイトをデプロイ&独自ドメインを割り当て |
私の早とちりが、誰かの役に立てば幸いです 😄